ハイビスカス
「春」という言葉にはもののときめく明るい響きがあります。
・われ男(を)の子意気の子名の子つるぎの子詩の子恋の子あゝもだえの子
与謝野鉄幹(1873-1935)
・春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外(と)の面(も)の草に日の入る夕
北原白秋(1885-1942)
・むらさきに菫(すみれ)の花はひらくなり人を思へば春はあけぼの
宮柊二(1912-1986)
・観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ)
栗木京子(1954~)
・君の子として生まれきしみどりごを花より早く知るこの四月
俵万智(1962~)
白い花
4月、当別町内にも新入生・新社会人の人たちが、ちょっとぎこちなく、ちょっとはにかみながら、ちょっときらきらしている姿に出会います。
はるか昔、私にも覚えがあります。
まず学校へ入った時、みんな自分より優秀に見え、ついていけるのかしらと不安になりつつも「入ったからにはやるしかない!」と開き直ってなじんでいったこと。
新入社員になった時は、最初の数週間の研修期間中に緊張の連続から、こともあろうに朝寝坊をしてしまい小さくなって会場に入ったことなどが懐かしく思い出されます。
振り返ってみると、若さって本当にすばらしい!!
世間知らずで右往左往しながらでも一生懸命やっていると、周りの大人たちは優しく見守ってくれているのです。
失敗を恐れず同じ過ちを繰り返さないよう努力していると自然にそれが身についていきます。
新しい生活に慣れる最大の『ひけつ』は【えがお】と【あいさつ】です。トライしてみて!
かもめ
私は札幌市の中心部に近いところに住んでいます。
最近、というよりもう10年くらい前から札幌都心部にかもめが棲みついています。
数年前テレビ局がビルの屋上で巣づくりをしているかもめを取材していました。
札幌ではからすもあちこちで随分ふえています。
都心部にそういう鳥類がふえるということは餌が十分あるということなのでしょう。
からすはいいとしても。
札幌-石狩間は約15㎞、札幌-小樽間は約39㎞。どちらの方から来たのかわかりませんが、かもめは海が恋しくはないのでしょうか。本能を失いつつあるのでしょうか。かもめの鳴き声を聞くたびにちょっと怖い気がします。
おさるさん
ねころんでいたらば
うまのりになっていた桃子が
そっとせなかへ人形をのせていってしまった
うたをうたいながらあっちへいってしまった
そのささやかな人形のおもみがうれしくて
はらばいになったまま
胸をふくらませてみたりつぼめたりしていた
八木重吉詩集より
八木重吉(1898-1927)
完璧な愛の家庭を夢みる詩人であった。
神を呼び 自然を語り 妻子を思いつつ 病苦を訴える そのすべてを通じて 哀切きわまりない 叫びのなかに 信仰と詩の合一をめざして 燃焼しつくした いたましくも清冽な30年の生涯。