大澤家の食卓には年じゅうジンギスカンが登場します。
ジンギスカンと言うと、鉄かぶとをひっくり返したような鉄鍋を炭火のはじける七輪に載せて羊肉や野菜を焼きながら食べるのが正統派です。
かつて(20~30年前)大澤家では、新入生の歓迎会を大澤家の居間・和室を開け放し、多いときで17~18名くらいの学生さんとしていました。
当時ほとんど道外からの学生さんで、初対面で慣れない皆さんがちんまりとおとなしく座っていました。
が一旦鉄鍋が焼け出すと、けむけむ、もくもく、ジュージュー、肉と野菜と腕が鍋の上を交差し、のんびり座ってなんかいられません。
戦場のような数時間が笑いと喧噪の中を過ぎていきます。
この北海道らしい野性的な煙と肉と脂の洗礼を受け、おひらきの頃には皆さん口は脂でなめらかにすべり、マトンの香水を全身にまとい、足どりも軽やか(?)に輝く未来へ、自室へと戻ってゆくのです。
なつかし~い。学生さん以外もみんな若かった。
現在の大澤家では、中高老年らしく、お上品に”しゃぶしゃぶ”ジンギスカンを静かにいただいています。
煙は出ず、脂はお湯に流し、野菜はたっぷり、実にヘルシー。
そしてビールがあれば言うことなし。
北海道ならこれしかないでしょう!!