見事なお雛様が飾られていたのは、デパートでもホテルでもなく病院した。
私はすっかり見ほれてしまいました。
ひな壇の両わきには大きな盛り花。自動ピアノは静かに「ひなまつり」を奏でていました。
病院でありながらロビー全体にゆったりした空気が漂っていました。
・春の苑 くれなゐ匂ふ桃の花 下照る道に出で立つ乙女 大伴家持
・東風吹かば におひおこせる梅の花 あるじなしとて春な忘れそ 菅原道真
・いにしへの奈良の都の八重桜 今日九重に匂ひぬるかな 伊勢大輔
・草の戸も住み替はる世ぞ雛の家 芭蕉
・雛祭る都はづれや桃の月 蕪村
・集まってひそと諸国の紙雛 朗人
・いくたびも父の来てゐる雛かな 久子